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2011年4月2日

ライフラインという使命

震災直後の映像で「物資が届かない」「必要なものが必要な物が届かない」という映像を見るたびにずいぶん歯がゆい思いをした。

普段は3PLだのロジスティックスだの小難しい事を言っているくせに、一向に物流会社や運送会社、また業界団体が物流に関してのコーディネートができていないことに歯がゆく感じた。

依頼された物を運ぶことだけが運送業という仕事ではない。
必要な物を必要な場所に迅速に貨物を届ける仕組みを構築することが本来の仕事だと思う。

今回の震災で言えば、物資の受け入れ窓口(センター運営)を作り、各避難場所や被災者のいるところの近くにそのエリアの基地拠点を作り、避難所等への配送ルートを作る。
各ドライバーは御用聞き的な役割を果し、どこに何が必要かという情報を基地局に上げ、それをセンターに上げる。
その情報を元に、必要な品物を避難所等に届け、同時にリアルタイムナ情報も届ける。
多分報道されていないだけで、多くの業界の人達がそういうことをやっていると思う。

でも、物資が届かないということをいう報道がされるたびに、何とかしてほしいと願う人達が矛先を向けるのは、行政であり自衛隊である。
もっと「運送屋さん何とかしてよ!あなた達はその道のプロでしょ!」という声が上がってもいいと思う。
いやそういう声が上がるべき業界でなければいけないと思う。

業界の地位が低いとか、ドライバーという職業の地位が低いというが、いざという時に「運搬」という業務しか期待されていないというのが現実なような気がした。
当然、「運搬」「配送」「輸送」というのは大切な業務だし、そこを期待されてそれに応えるのは当然のことだし、それが使命だと思う。でも目指すべきは「労働」に対しての期待ではなく、コーディネートも含めた「仕事」に対しての期待をされる業界だと思う。

人が生きていく上で、水・火(灯り・暖を取る・煮炊きをする)・食料・衣類・住まいの確保が必要である。
非常事態にはそれらすべてのものがいったん失われることがある。
そんな中でも急を要するのがライフラインと食料。
一般的にライフラインという場合には、水道・ガス・電気を差すが、我々の仕事はすべてのライフラインの代わりができる。
水を運べば水道に、灯油やガスボンベや発電機を運べばガスや電気の代わりになる。
水道・ガス・電気では食料も衣類も運べないのはもちろんだが、生の情報や人のぬくもりもトラックなら運ぶことができる。

この震災に対しての復興はもちろんのこと、日本を立て直すという意味でもこれからどう動くか。
本物のライフラインという位置にこの業界をしていかねばいけないと思う。

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鈴鹿・亀山・引越