BLOG

2011年4月12日

HISTORY No27

いつもお仕事ご苦労様です。

これは入社2年以上の先輩たちへのメッセージです。
ほとんどの人が初めてだと思いますが、7年ぶりのHISTORYです。現在のかわら版の前身のようなものです。
創刊は1999年10月でしたが、今はその頃と同じ状況で、約12年たった今でも伝わっていないと感じることがあるので今回の発行となりました。

心して読んで下さい。

私が宅配便のアルバイトを始めたのは今から22年前の今頃でした。
「何か自分でやりたい」という想いと「何をしていても生活費は稼がなければ」という想いで、色々とアルバイトをやっていた一つが宅配便の配達でした。
時給分の仕事はしなければと時給700円で頑張っていましたが、他の人達は適当に時間を過ごしてやっていました。
そんな適当さが嫌で辞めようかな?と思っていた頃に、「誰か亀山地区の配達をやってくれやんかな?」という話が出て、請負でさせてもらえるならと名乗りを上げたのが、カワキタエクスプレスの前身です。

最初は知り合いのお百姓さんの小屋みたいなところを忙しい時に借りていたのですが、本格的に拠点を構えるために、亀山市本町にある倉庫を借り、2年くらいして椿世に土地を買って引っ越しました。そしてその頃から常駐のアルバイトを雇いだしました。

私も延べでいうと7年はサラリーマンをしていたので、働く側の気持ちがわからないではありません。
働く側としては社会保険なども欲しいし、収入の安定も必要です。
だからまだ会社にはなっていませんでしたが、社会保険は入れるようにし、早く人も増やして将来に不安を感じないようにしたいと思っていました。
またサラリーマンの時には何を評価されているのかもわからず、やりがいみたいなものもなかったので、やりがいのある会社にしたいとも思っていました。

宅配の傭車みたいな人達ですが、常駐するスタッフが5~7人という規模になった頃から、「人」に関する問題が出始めました。
仕事をしにきているので基本は仕事だけをきっちりしていればいいと思うのですが、「仕分けするのにあの人はいつも遅れてくる」だの「あの人がこんなことしとった」だの、仕事とは直接関係がないことを調整することに追われることになっていきました。

仕事なのでそんなことは放っておけばいいのですが、「同じチームの仲間なのだから仲良くしてほしい」という気持ちがその頃からあったので、放っておくわけにはいきませんでした。
あっちを立てればこっちが立たず、相手のためを思いながらやっていても響く人と響かない人、響く時と響かない時があり、それは会社にしてからも変わらず、何とか気持ちを分かってほしいと思って出したのがHISTORYの創刊号です。

それから約12年たって、業態は変化し、社員も増え、会社らしくはなってきました。
でも肝心の想いが浸透しきれていない。それが今という現状です。

常々言っていますが、仕事というのはお客様に喜ばれてなんぼです。
お客様の役に立ってなんぼです。
喜んでくれて応援してくれる人を増やすことが売上を上げることにつながります。

お客様の視点で考えた時、今のうちの会社というのはよその運送屋や引越屋と比べて何が違うのでしょうか?
お客様が他社ではなくうちを選びたくなるほどの「差」って何なんでしょうか?
それ以前にそんな「差」があるのでしょうか?

「カワキタさんとこのスタッフはええ人ばっかりやな。」「カワキタさんのトラックはいつもきれいやな。」というのはよく聞きますが、新人も含めて全員が全員、あいさつ・態度・仕事のやり方などが金太郎飴的な感じで同じ水準を保っているという訳ではありません。
まだまだバラツキがあります。

先輩同士の意思疎通ができていてお互いが良好な関係で、いいところは認め合い、足らないところは責めたり批判したりすることなく補い合い、お互い同士も注意し合いながら、新人には先輩全員が同じようにアドバイスや注意をしてくれていれば、サービスレベルを安定させることができると思います。もっといい会社になると思います。

でも現状は「あいつの言い方が気に入らん」だの「あいつが悪い」だの人のことを責めるばかりで、だから自分はどうするという議論になっていません。
ましてや先輩同士がバラバラです。

自分だけはちゃんとする、相手の問題ではなくすべて自分の問題として自分が何をするか、何ができるかを考え、お互いが協力し合うことが必要なのではないでしょうか?

会社に対してでも同じです。
新しい事をしようとするたびに「何でそんな事せなあかんの?」だの「そんなん気に入らん」だの、毎回毎回抵抗するばかりで、やる意味を考え、そのための方法論について「こういうやり方をしては?」的な発展的な話になりません。
ここでこれがスッといけば次はこれして、その次はあれしてということがあるのに、思うように進めることができません。

以前から言っていますが、この会社にいる以上は私の指示や命令は絶対です。
上長の指示や命令に従うのは、会社に勤めている以上当たり前のことです。

自分の思い通りに生きたければ、自分で商売なり事業なりをするしかありません。
ただ自分でやったとしても思い通りになることはあり得ませんが・・・。

だから我慢して黙って従えという訳ではありません。ちゃんと納得して従ってもらいたいのです。
事実、今までもみんなの意見には耳を傾けて説明してきたつもりです。

でもその「納得して」がくせ者です。
納得してもらおうと手を替え、品を替え伝えてきました。

給与明細にかわら版を入れるのもメッセージを書くのもミーティングをするのも、納得して仕事をしてほしいから、カワキタエクスプレスという会社が向かうべき方向へ全員が何の疑いも迷いもなくい進んでほしいからやっていることですが、納得するかしないかは「あなた次第」ということに今更ながら深く気が付きました。

言葉として考えた時に、こちらが英語でしゃべっていたら、その言葉を理解するためには聞く側が英語を理解していなければ、どんなに素晴らしい事を言っていてもまったく伝わりません。
今までのうちがやってきた事は伝えたい内容を伝えるために英語を日本語に変えて伝えようとしてきたのですが、聞く側はほとんど英語を勉強することはなく、いつまでたっても「あれがわからん」「これがわからん」と言っているようなものです。
すべてを伝えようと思ったら、こちらがすべてを日本語で話さなければなりません。
本来伝えたい事は言葉ではありません。その内容です。
はじめから英語が分かっていたら、伝えたい事はその時に伝える事ができ、次の瞬間にはまた別の事を伝える事ができます。

ここに本社を移してから、ずーっと「売上を上げなければ」「利益を出さなければ」と言っていますが、売り上げは下がる一方、利益も出ない状態が続いています。なぜでしょう? やらなければいけないことは「売上を上げること」と「利益を出すこと」です。
そのためにはお客様を増やさなければいけないし、今のお客様からの仕事が増えるようにしなければいけないし、他社より付加価値を上げて適正な価格にしなければいけません。
合わせて無駄を省き、効率を上げて、生産性を上げなければいけません。
集中するべきことはそこなのに(英語の話でいえば話の中身なのに)、その手前のどうでもいいこと(英語を日本語に訳すということ)に時間がかかりすぎていることが今の現状を生んでいます。

わが社の経営理念は「すべての人の笑顔のために、今を自分らしく、ベストを尽くす」です。

「すべての人」というのはお客様であり仲間でありその時に出会うすべての人です。
その人達が笑顔であるために仕事をするのですが、本当に笑顔にするためには自分が我慢をし無理をしていてはできません。

今という瞬間を自分らしく、手を抜いたり妥協することなくベストを尽くす。
そうするとどうなるでしょうか?きっとその人のファンが増えるはずです。
一人一人のファンが増えれば、その集団である会社のファンが増えます。
イコール売上が上がるということになると思いませんか?

「自分らしく」というと「わがまま」とか「自分勝手」ととらえてしまうかもしれませんが、すべての人には生まれてきた意味や役割があると思っています。
その意味や役割に沿っている時=自分らしい時だと思います。
自分らしい時はどんな気分になるかというと、楽しいとか嬉しいとかノッてるとか幸せとかそんな気分を感じるでしょう。
それと基本的に、人に喜んでもらったり褒められたり認められたりするというのは誰しも嬉しい事で、自分らしい時の人の本性というのは、そこにあると思うので、それぞれが自分らしくあるというのは大切なことです。

次に「社員・お客様・取引先・地域・業界・社会など関わるすべての人の幸せの追求」がわが社の経営目的です。当然意味はわかると思いますが、順番にも意味があります。
まず社員が幸せでなければお客様を幸せにできません。
だから社員が一番なのです。一番ではありますが現象としては同時の話だと思います。
お客様が喜んでくれるから自分も幸せを感じる事ができます。

経営理念も経営目的もお題目ではありません。
そういうことが出来ている人が社員で、そういうことができる会社でありたいと目指す指針が理念であり目的です。

今まで取り組んできたこと、これから取り組もうとしていることのすべての元には経営理念や目的に込められた想いが軸になっています。
それから外れる事をする気は全くありません。

だからそう信じてほしいのです。
そこを信じていればいちいち反発することなく「社長がやれって言うんやでやろ」となると思います。

簡単な話、指示したことはどんな事でも気分よく気持ちよく取り組んでくれればいいだけなのです。
お客様のことや会社のことを考え、ちゃんとやるべきことをまじめに一生懸命やっていたらお金は後からついてきます。
それを今は先にお金お金という感じを受けないでもありません。

掃除も人の手伝いもお金がつくならやるけど、つかないならやらない。
それっておかしくないですか?
確かにお金を得るために仕事をしています。
仕事をする以上、1円でも多くお金がほしい、それも当たり前のことです。
でも、お金をもらうから誰かを喜ばす、誰かの役に立つことをする訳ではありません。
誰かが喜ぶようなことをしたから、誰かの役に立つようなことをしたからそのお礼としてお金がもらえるのです。

我々の仕事の根本は「何かを運ぶ」ということです。
運ぶためにはどこかで荷物を積みどこかで降ろすという作業が発生します。
積み込みという作業の中には、行先・品名・数量など確認する必要があります。
荷物を触る時には、丁寧に扱いながらも、スピーディーにきびきびした動きも必要です。
運ぶ時に荷崩れや破損・汚損をしないような配慮や手当をし、運転時は安全運転で事故を起こさない運転、環境に配慮したエコ運転をする。
降ろす時には誤配のないように指定された場所かどうかを確認し、指定された場所に指定された置き方で、積み込んだ時と同じ荷姿・数量を降ろしてくる。

その前後には好感を得られるあいさつや態度も必要です。
事務所側としては電話応対の仕方や連絡、伝票などの素早い処理なども必要でしょう。
無事に荷物を届けるには車の状態も大切です。
故障などがないように日常点検や1か月点検を行う。
トラックをきれいに保つというのも必要なことでしょう。

ざっと挙げるだけでもこれだけのことが必要ですが、お客様からお金をいただくのは、A地点からB地点に運んだ行為に対してのみです。
その他はお金をいただくための準備のようなものです。
その準備に時間がかかったりロスが多いと、運ぶことに関して適正に対価をもらったとしても、会社の利益は少なくなっていきます。
現実問題でいえば、運ぶだけのコストも出てこない運賃であるというのが現状です。

みなさんもそうかもしれませんが、今は安ければいいというのが世の中の風潮です。
品物の値段というのは直接的でわかりやすいですが、運賃というのはお客様にとっては見えないものにお金を払うようなもので、企業にとって運賃を下げるというのは一番簡単なコストダウンになってしまっています。
そんな環境の中でも、適正な運賃をいただかなければいけません。
もっといえばお客様が「カワキタなら少し高くてもいいかな」と思わせる何かがなければみんなの給料も上げることはできないし、ボーナスなんて遠い遠い夢の世界です。

労働時間を長くしなければ給料が増えないというこんな状態は早く変えたいのです。
60時間残業して30万円の給料より、残業なしで30万円の給料にしたいのです。

ただ現実問題として、今すぐに運賃が上げられるかというとそれは難しい話です。
でも会社として生き残らなければ目指している会社にはなりません。
それには下げられる経費は下げる。
燃費を上げる、事故をなくす、残業を少なくするなどです。

それらの経費を下げるための案を考えても「ああでもない」「こうでもない」といちいち反発的なことがあっては、先に進めません。
イコールいつまでも残業を続けなければ給料が増えない状態が続きます。

3月に震災が起こり被災地は悲惨な状態になっています。
家を亡くし、家族を亡くし、仕事を亡くし、何とか生きているのがやっとの人達がたくさんいます。

その人達が文句を言って生きているでしょうか?私達には、とりあえず仕事があって帰る家がある。
それだけで感謝するには十分なのではないでしょうか? 震災の影響は被災地だけではありません。

ホンダやトヨタなどの工場は操業停止になり、乾電池や水などの物資が無くなったり数量規制があったり、コンパネ等の建築資材も全国的に品薄状態です。
そしてその影響が終息に向かっているのではなく、今始まったばかりです。
2次的現象、3次的現象と派生し、今では想像できない事態がまだまだ起こってくるでしょう。

震災だけがすべての出来事ではありません。
震災の報道が多いので影が薄いですが、エジプト・リビアをはじめとする中東でも民主化などで国が大きく変わろうという時期で混乱を招いています。
世界中が大きく変わろうとしていて、まだまだどこで何が起こるかわかりません。

本当の大津波が襲う訳ではありませんが、これからもみんなが想像できないような出来事が起こります。
それは例えれば大津波のようなものです。
さっきまで平和に暮らしていたのに突然津波がやってくる。
その時に「どっちにいこうか」と言っていたら間違いなく津波に飲まれてしまいます。
瞬時に「あっちへいくぞ」と決めて一目散にダッシュしなければ飲み込まれてしまいます。
今はそんな時代です。悠長なことは言っておれません。
大混乱期に必要なことは右往左往することではありません。

信じる一点に向かって突き進むのみです。
その結果が吉と出るか凶と出るかは「神のみぞ知る」です。

傲慢に聞こえるかもしれませんが、私がどんな人間であれ、この会社は私が進みたい方向にしか進みません。
私が目指す方向にしか進みません。
カワキタエクスプレスにいる限り、その方向を信じる=私を信じるしかないのです。

どんな時代でも、人と人のつながりが大切です。
人と人の関係の中には「思いやり」や「気配り」が必要です。
相手に嫌な想いをさせない行動や態度も必要です。
何も特別なことをしろという訳ではありません。

明るく元気に笑顔で人に接し、相手がしてほしそうなことを進んでしてあげる。
嬉しい事があったら共に喜び、悲しい事があったら共に悲しんであげる。
そういう思いやりのある人達の集団であれば、どんな時代が来ようと必要とされるのではないでしょうか?

そんな人達が集団の運送屋・引越屋を作りたいだけなのです。
「今までこうしてきたのに」「今までこれでよかったのに」そんな今より以前のことはどうでもいいのです。

今より未来のこれからをどうするかが重要です。
より良くなるために変える必要があることは瞬時に変える、やってみて不具合があれば瞬時に修正する、来る日も来る日も未来に向けて良くなるためにのみ進みたいと思っています。

ここに書いてあることが1回読んだだけでは理解できない人は2回読んで下さい。
2回読んでも理解できない人は5回読んで下さい。
5回読んでも理解できない人は10回読んで下さい。
私が何を伝えたいのか何を考えているのかを感じるつもりで読んで下さい。

それでも理解できない人、まだ何か反発心を抱く人は申し訳ないですが、4月末か5月末日付け退職の退職願いを書いて下さい。
自らも動いて歩み寄ろう、理解できなかったら理解できるように勉強しようとしない人に教えることは何もありません。
もうこれ以上無駄なことに足を引っ張られる余裕はありません。

お客様に喜ばれて、世間からも「カワキタエクスプレスがあってよかったね!」と言われ、スタッフが活き活きと楽しそうに笑顔で仕事をしていて、スタッフ同士も助け合い、励まし合い、いい意味で競い合いながら切磋琢磨できている集団、それがカワキタエクスプレスでありたい、ただただそれを目指しているだけです。

自分がされて嫌なことは人にはしない。
自分がされて嬉しいことを人にもしてあげる。
いずれにしても、結局人にしたことが全部自分に返ってきます。

いい結果が返ってくる会社に一日も早くしましょう。

どんな時代がこようとカワキタエクスプレスは生き延びて、数年後には時代の先頭にいます。
全員がそれを信じて、今自分ができることにベストを尽くす。笑顔と思いやりの心を持って。

これを読んだ次の日からは、何の迷いもなく全員がそれを目指してアクセルをベタ踏みしていることを願います。

よろしくお願いします。

トラックチャーター便
鈴鹿・亀山・引越