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2008年6月23日

70%でベスト

「100%の力を出し切れ」「120%の力を引き出せ」とよく言われる。
モチベーションアップ系、自己啓発系のセミナーや書籍はそのあたりを結果にしようとする。

以前の自分もそうだったと思う。
自分はできていると思い、人にもそんなことを求めていた。
迷いや挫折を味わって、かなり許容範囲が広がったつもりだったが、つい最近まで、根本的に求める基準が変わっていなかったことに気がついた。
伸びる会社の条件は120%の力を出せる会社だった。

とはいうものの、事業をやっている以上、結果を出さなければいけない。
結果=数字である。

多分、今の日本全体にいえることだと思うが、全員がベストな状態を保っていることを基準にしている。
100人が100人とも100%の力が出せて、トラブルも一件も起こらない。
この状態が普通で、この状態を保たないと安心した暮らしを維持するくらいの給料がもらえず、会社としても利益が出ない。

そこを基準にしているから、少しのトラブルが大きなクレームになる。
昔なら「そんなことくらい・・・」と言えたことも、口に出したものなら、倒産の危機にまでなってしまう。
みんながピリピリしている。
誰もいじめられたり怒られたくないから、自分の保身しか考えない人が増えていく。

その反動が感動ブームのような気もする。
癒してほしい、感動させてほしい人が増え、そこに力を入れている会社が伸びている。

一見、人に優しい経営と思ってしまうが、基本的には変わらない。
昨日までは100%だったものを今日は101%にしなければ、逆にクレームになる。
会社や店もクレームが起きないように、もっともっとを社員に求める。
やはり失敗は許されない。

人間生きていれば、腹が痛くなることもあれば、怪我をすることもある。
体は健康でも、どうも気分がのらないこともある。
本人は元気でも、家族が病気になれば心配になるし、子供が危ない道を歩もうとしているものを放っておくことはできない。
生きている以上、イレギュラーの連続である。

個人でいえば、120%の力を出せた日、100%の力を出せた日、10%の力も出せなかった日もあったが、一年間平均すると70%の力は出せたよな、と思えれば、普通に生活できるレベルの給料がもらえる。
企業でいえば、120%の力を出す人、100%の力を出す人、20%の力しか今は出せない人を平均して70%の力がでていれば、企業として成り立つくらいの利益は出せる。

もっと頑張って、平均して80%なら少しいい生活が、90%なら人もうらやむような生活が、100%なら夢のような生活ができる。
そんな感覚で十分ではないだろうか?

有名な企業家や成功者と言われる人達がこれを読んだら「そんな甘いことを言っていては、成功はできないよ!」と言うかもしれない。
でも、そんなにみんなを頑張らせなければ、成功できない世の中はどこかおかしいと思う。

甘やかしはしないが甘えられる会社にしよう。
心が折れる前に弱音の吐ける会社にしよう。
きっとその方が頑張れると思う。
人にも優しくなれると思う。

それには会社として、そんな風土が必要だ。

事故をキッカケにそんなことを感じた。

うちの真価が問われている。本領発揮といこうか。

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