下積み時代にしていたお仕事
ブログのネタにということで、ときどき「100人の社長ブログ」から『お題目』が出される。
今回初めてそのネタに乗っかってみよう。
下積みという訳でもないが、長女が生まれたばかりで、生活基盤をしっかりしなければいけない時期。
当時、勤めていた会社の方針が気に入らず、生後2ヵ月にはプータローになっていた。
とりあえず食うために、色々なバイトをした。
電気温水器の点検、結婚式などのビデオ撮影助手、宅配便の配達、土木作業員。
半年くらいはこれらの仕事を掛け持ちしながら、これから何をやるか探っていた。
仕事としておもしろかったのはビデオ撮影。
やりがいがありそうだと思っていったのが宅配便の配達。
最終的には宅配便の配達が今に繋がっている。
ビデオ撮影でおもしろかった経験。
ある日、「今日はおもしろいところへ連れてったるわ!」と、そこの社長。
ほとんどが結婚式の撮影だったが、たまにイベントの撮影なんかもあったので、おねーちゃん達がいっぱいいるようなイベントでもあるのかな?と思い、車に乗ること40分。
町から山の方へ向かっていくと、やがて立派な門の前に、かなりやばそうなお兄さん方が立っていた。
入り口には「○○組総本部」という立派な看板。
社長が頭を下げると門が開き、中に入ると黒ずくめの服をきたお兄さん達、立派なひげを蓄え紋付はかまを羽織っているおじさん達。
その日は系列組長の襲名披露式ということだった。
会場に入るとまさに「仁義なき戦い」の世界。
立派な神殿の前に数々のお供え物。
正面には大きな紙に色んな人の名前が書いてあった。
今から行われる襲名披露の一部始終を撮影する、その助手というのが自分の使命だった。
一瞬、血の気が引きかけたが、興味の方が勝った。
式が始まった。
まさにまさに映画の世界。
儀式としてはかなりちゃんとしていた。
自分の結婚式も神殿で執り行ったが、それよりもっと重く、真剣な空気が漂っていた。
お供え物に何かしたり、酒を注いだりする人も「絶対失敗は許されない」という緊張感がひしひしと伝わってきた。
そこにはしきたりを重んじる世界があった。
自分が主にやったのは、ケーブルの引き回し。
結構いっぱいに座っている人の合間をぬって、ケーブルを引き回す。
一台は固定。もう一台を社長があっちからこっちから撮影する。
そんなに動かなくていいのに、よく動いてくれた。狭いので足が体にぶつかってしまう。
「決して蹴っていませんよ!当たっただけですから。当たっただけ。」
睨む目に心の中でそう叫んだ。
とりあえず「今日」という日が迎えれてよかったと思う。