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2000年12月28日

社員にあてた手紙 2000年12月

「21世紀を迎えるにあたって」

あと数日で、今年も終わりです。
皆さんにとってはどんな年だったでしょうか?

もう皆さんもご存知だと思いますが、今年いっぱいで白崎君が退社することとなりました。
大変ショックを受けております。
結果として辞める事については、いろいろ事情もあり仕方が無いと思っていますが、それまでの過程の話がまったく聞こえて来ず、早くに相談してきてくれれば、改善の余地もあり、もっと何か違う流れが出来たのではという想いがあり、非常に歯がゆいです。

ただ、世の中で起こることはすべて偶然ではなく、必然であり、また、すべてが完璧なタイミングで起こるという事を信じていますので、この事を教訓として、今後の当社の在り方を考えたいと思っています。

 昨年の10月に、当社のこれまでの経緯、また、日頃私が何を考え、何を求めているのかを綴った“HISTORY No1”を皆さんに配り、11月にミーティングを行ない、その後もいろいろなミーティングを通じて、自分の想いを伝えてきたつもりでした。
その想いをもっと具体的な形に表そうと8月より毎月1回、コンサルタントを入れてミーティングを重ねてきました。
また、春から夏にかけて常勤のアルバイトの子も増え、その子達にも社員が会社の想いを伝えてくれていると信じ、順調に進んでいると思っていました。最近ようやく企業としての第一歩を踏み出せたと思っていました。
しかし、結果は何も伝わっていなかった、肝心なところはわかっていなかったと感じています。

ここでもう一度、何を目指し、どういう想いで仕事をしているのか、今の我社がどんな段階なのかを伝えたいと思います。

創業からはもうすぐ11年、法人設立してもうすぐ3年になります。
今、株式会社カワキタエクスプレスとしてのブランドを確立できるか、それとも、その辺の運送屋さんと何ら変わる事の無い普通の会社になるかの分岐点に立っていると思っています。

皆さんがどう感じているかはわかりませんが、自分の正直な気持ちは、給料面でも、待遇面でも、スタッフ全員が満足・納得でき、頑張った人は頑張ったように、頑張りが足りなかった人はそれなりにしか評価されないような仕組みがあり、この会社のスタッフで居れる事に誇りが持てるような環境を創りたいと思っています。
しかし、今はまだ会社にとって創業期です。
ああでもない、こうでもないと思考錯誤しながら進んでいる状態です。
普通の会社並みの待遇も無い状態です。
仕事面でも内容が充実しているとはいえません。
今一つづつ創っている段階です。
仕事を取る事よりも、スタッフが納得できるシステムの構築を最優先に考えています。
一日も早く基本的な事(就業規則、給与体系等)だけでも創りたいと思っていますが……。

ほんの少し前までは私自身も常に作業に行き、トラックに乗っていました。
しかしそれでは、日常の業務に追われるだけで決めなくてはいけない事を決めないままになってきました。
最近ようやく事務所に居る時間が多くとれるようになり、少しづつ進んできていますが、事務所でも日常業務に追われる事が多く、私的にはもっとスピードアップしなければいけないと思っています。
そうする為にも日常業務以外の事に集中できる環境を作りたいとは思うのですが、それには皆の協力が不可欠で……。

おかげさまでいろんな所から仕事の依頼があり、大変有り難い事だと思っていますが、忙しければ忙しいほど、ちゃんとした給与を払いたいと思っていますが、今はそんな仕組みがありません。
でも仕事は頼まれます。
でも仕組みが無ければ、頑張りがいがないのも事実だと思います。
でも仕事がなければ給与も払えません。
どうすれば良いのでしょうか?

また、他社と何ら変わらないサービスしか提供することができなければ、値段だけの勝負です。
高いか安いかです。
他社より値段ではない何か、値段に匹敵するサービスが提供できなければ、売上に見合う利益を出せません。
利益が出なければ、利益を還元する事が出来ません。
いくらスタッフをいい待遇にしたいと思っても元になるものが無ければ話になりません。
非常に私自身ジレンマを感じています。

では何が我社の生きる道なのでしょう?
それは、皆が日々何を考え、どういう気持ちで仕事をしているのかがポイントだと思います。
今の状況をどう捉えるか、どう判断し、どういう行動を起こすのか。
一瞬一瞬の積み重ねが、1年後3年後の未来を大きく変えます。
スタッフ全員が明るく前向きに、常に相手の事を思いやり、相手が喜ぶことを探し、してあげる事が、誰かの役に立ち、役立ったお礼として、報酬が得られるのです。
皆さんは我社に働きに来ているのではありません。
ましてや働かされている訳ではありません。
人は一人では何も出来ません。
いろいろな人の協力があって、仲間がいて、何かが出来るのです。
会社の設備、人、看板を利用して、あなたにしか出来ない事を表現する為に、仕事をしているのです。
仕事を通じて、いろんな人と関わり、自分を高めていく為に仕事をしているのです。
その結果、報酬を得られるのです。決してお金を稼ぐ為に、給与をもらう為に働いているのではありません。
報酬を得ることが目的ではありません。
何かの、誰かの役に立った結果得られるものが報酬です。
この考え方の違いは非常に大きいと思います。
仕事をする目的が違うのですから。

個人の評価も、会社の評価も、1日や2日で出るものではありません。
早くて半年、通常1年から3年、長ければ10年、20年積み重ねた結果ようやく形に表れるものです。
もしかすると一生評価されないかもわかりません。
でも、その人自身が誇りと自信を持って、何事にも臨んでいれば人の評価など必要でしょうか?
皆さんは、今、そこまで真剣に考え、行動していますか?
私は考えて行動しています。

我社を大きくする事が目的ではありません。スタッフが思いやりあふれる人ばかりで、毎日を充実して過ごし、そこに仕事が入り、忙しくなり、また仲間が増え、自然と会社が大きくなるとは信じていますが、大きくする為に仕事を増やす気も、人を増やす気もありません。
肝心なのは我社のスタッフがどういう人達かです。
どういう気持ちで仕事に挑んでいるかです。
どれだけ人様の役に立つ仕事をしているかです。
自分にとってのスタッフは家族も同然という気持ちです。
励まし合い、助け合い、共に同じ道を歩む同志です。

まだ私以外、役職はありませんが、社長が偉いわけでも、課長が偉いわけでも、アルバイトの格が下でもありません。
それぞれ役割が違うだけで、人間的な上下関係ではありません。
意見は意見で主張でき、風通しのいい、筋が通る会社にしたいと思っています。
誰でも人の事はわかりません。自分の事さえままならないのですから。
思っていることは言わなければわかりません。
相手にわかるように伝えなければ伝わりません。

これだけはどんな状況でも信じて下さい。
頑張った人が頑張った分ちゃんと認められる会社にしたいです。
正直者が馬鹿を見ないそんな会社にしたいです。
会社の為に働かそう、会社が儲かればいいという気は全然ありません。
どちらかというと、後先考えなければ、利益はすべて還元したい位です。
皆がやりがいを感じるような会社にしたいです。

そんな事を目指す会社が大きくなる事ができれば、自分の会社の愚痴を言うことなく、自分の仕事に誇りを持っているスタッフだけが居る会社が存在できれば、会社だけでなく周りの環境も変える事ができると思います。
その積み重ねがいつか未来の社会も変える事になると…。
飛躍した話だと思うと思いますが、本気でそこまで目指しています。
だからどこにでもある会社ではいけないのです。
誰でもする事をやっていてはいけないのです。
それが現実になるかどうかは、スタッフにかかっています。
何度も言いますが、一人では何もできないのです。協力しあえる仲間が居なければできないのです。

今回の事で、自分の表現力が足りなかった事を反省しています。
ちゃんと伝えられなかった事を反省しています。
自分の本音の部分を何とか伝えたくて、噛み砕いてわかりやすく書いたつもりですが、わからない部分があったら私に直接尋ねて下さい。
納得いくまで説明します。時間も作ります。
わからない事をわからないままにしないで下さい。
伝えてくれなければ何がわからないのかがわかりません。
わかろうともせず、理解もせず、不満だけを募らさないで下さい。

ここから少しきつい事を書きます。

我社が目指している事を理解しようとしない人、理解できても、そこまでこだわりの無い人、気楽に働いて給料がもらえれば良いと思う人、現状維持で十分満足している人(今の時点では私も含めて満足できるレベルではありません)、我社の社風には合わないと思います。
自分にあった環境で仕事をして下さい。
あまり深く考えなくてもある程度仕事をこなせば、ある程度の給料がもらえる会社へ勤めた方が良いと思います。

出来ている出来ていないにかかわらず、これからも前向きに取り組んでいく気のある人、より良い明日を目指している人、気持ち良く仕事をしていこうという人だけ居ればいいです。
ただ、まだしばらくは、無理もしないといけないと思います。
大変かもわかりませんが何かを乗り越えて人は成長するものです。

いつか必ず我社のスタイルが認められる時が来ると信じています。
そうならなければ世の中もうまくいかないと思っています。
信じる信じないは個人の自由です。
それぞれ価値観も違うと思いますので無理強いはしません。
難しいことを言う気もやる気もありません。
当たり前のことを当たり前にしたいだけです。

普通のありふれた会社にする気はありません。
妥協しなければ人も続かず、仕事も入って来ないのなら我社が存在する必要は無いと思っています。
存在できるのなら我社のやり方でトコトンやっていきます。

最後になりますが、自分に妥協しないで下さい。甘えないで下さい。

経営理念、経営目的、社訓を同封します。
もう一度よく読んで、意味を理解して下さい。
わからないことは尋ねて下さい。
わからないことははずかしい事ではありません。
わからない事をわからないままにする方が恥をかく事になります。

今いるメンバー全員が、理解してくれる事を願っています。

2000年も残り数日になりましたが、今年もありがとうございました。

皆さんにとって2001年も素晴らしい年になりますよう心よりお祈り致します。良いお年をお迎え下さい。

2000.12.28 川北辰実

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